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ジャーロ   @シアターN渋谷 [映画(さ)行]

GIALLO.jpg
満足度 ★★★★

「ジャーロって何じゃろう?」

「日本広告審査機構じゃないの?」   「それは、JARO。」

「ヘリコプターみたいな乗り物?」    「それは、ジャイロ。」

「竹原慎二のブログの結び言葉?」   「それは、じゃあの!」

冗談はさておき、GIALLOとはイタリア語で黄色という意味らしい。
正しくは「ジアーッロ」だと思うが、ジョン・ボンジオーヴィさん率いるバンドが「ボンジョヴィ」と呼ばれるようなものかな?なんて、細かすぎて伝わらないか?

ダリオ・アルジェントの新作と聞けば、何が何でも観なくてはならない。
前夜のメタリカの興奮もさめやらぬまま、シアターN渋谷へと向かった。

ロビーでは、「サスペリア」のアニヴァーサリーTシャツを販売している。かなり心惹かれるが、これを着て街を歩く勇気はなく、どうせ着ないでタンスにしまい込んだまま忘れてしまうに決まっているので、グッと我慢する。
T SHIRT 1.jpgT SHIRT 2.jpg

舞台はイタリアのミラノ(実際にロケされたのはトリノ)。美しい女性ばかりが拉致され、無残に切り刻まれて殺されるという連続殺人事件が起きる。被害者が死に際に残した言葉「犯人は黄色い」を手がかりに犯人を追う変わり者の刑事エンツォ(エイドリアン・ブロディ)と、拉致された妹セリーヌ(エルサ・パタキ)の行方を追う姉リンダ(エマニュエル・セニエ)を中心に物語は展開する。

パンフレットによれば、最初に主役をオファーされたのはヴィンセント・ギャロだったが、元フィアンセであるアーシア・アルジェント(アルジェント監督の娘さん)がヒロイン役に予定されていることを知り、断られたのだという。当たり前だろう、娘の元婚約者にオファーする方が間違っている。

そのうち、アーシアも妊娠してしまい、主役が二人とも白紙に戻ってしまった。ところが、セリーヌ役のエルサ・パタキが、同棲中の恋人エイドリアン・ブロディに脚本を見せたことがきっかけとなり、エイドリアンが主役に決まったらしい。そして、彼がエマニュエルをヒロイン役に指名したようだ。そういう裏事情を知った上で作品を鑑賞すると、さらに面白い。

作品全体に漂う独特の「空気感」は、間違いなくアルジェント作品だ。
「サスペリア」、「インフェルノ」、「フェノミナ」と同じ空気を感じる。

彼の作品にはこれまでストーリー軽視、映像(特に色彩)重視の傾向があったが、この作品では双方がバランスよく収まっている。血糊はかなり控えめなので、最近のホラーファンには物足りないかもしれない。「サスペリア」が公開された1977年当時、あれほど血糊が使用された映画はなかったんですけどね。

エンディングの映像は、まさにアルジェント監督の真骨頂。
あれほどシンプルで鮮烈な映像は彼にしか撮れないだろう。

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コメント 7

でかのすけ

kenさま
お早うございます。
こちらはまさに、「Surrender」なるBig 「Rain」(←これは、お好みではないご様子でしたでしょうか?)お天気です!

単純な質問でございますけれど…。
Kenさまは、語学力をも幅広く習得成されてますけど…。
そうした個人情報は、教えて下さいませんよね…?←当然しかり♪
プロフィールを、ちょこっと…お教えてくださいね。のブログ欄はないのでしょうか?
by でかのすけ (2010-10-03 09:37) 

でかのすけ

今、私事ながら…住んでいる所は、狭くひょろ長い山ん中の村なる町。です。雷は水平線に落ちてくるので…1つ雷で…5人位は一度に殺られます。脱線しました(笑)北九州本店で…博多区のビルの中にCROSSFMがあります。たしか…丁度5年前位に、BON JOVIとCROSSFMと、反戦チャリティーか何かしらのイベントにて、無料で九州全域に、ステッカーを撒き散らした事から…何でだか、Kenさまをより一層凌ぐ想いに陥りました…かなり「恋愛」に近い想いです。不精コメントお許しくださいませ♪
by でかのすけ (2010-10-03 10:06) 

でかのすけ

す、すみませんo(^-^)oほ、ぼ…飢餓に近い状態ですので…。
耳と目を日曜日(とぅでぃ)にして下さいませ。削減してOKです。スルーしてOKです。宜しく!
by でかのすけ (2010-10-03 10:35) 

でかのすけ

いえいえ、はいはい?←ただ単純に、前置きに「んじゃ、ジェイ・ケイ率いるミュージシャンは?…それは、Jamiroquaiでしょ!」って…落ち、入れて欲しかっただけです。
by でかのすけ (2010-10-03 11:11) 

Bobby

ダリオ・アルジェント監督の作品は過去に何本か観ています。でも、一番鮮明に覚えているのは『フェノミナ』。TSUTAYAなんてなかった時代、時給500円のバイトをしながらビデオデッキを手に入れて、街の小さなレンタルビデオ屋さんで初めて借りた作品です。内容は期待外れだったけど、主役の女優さんがとても綺麗だった事、あの人は歳を重ねた今でもそんなに変わらないような気がする。『美と恐怖のコントラスト』が独特でした。これを境にドロドロのホラーにのめり込んでいきましたが、今はあまり観る気にはなれません。歳のせいか体力がいる。
by Bobby (2010-10-03 21:56) 

Ken

>でかのすけ さま

わたくし、英語でさえ中途半端なくせに、もともとラテン語系言語が好きだったものですから、2年ほど前からスペイン語とイタリア語を独学しております。さらに、今年はフランス語まで。
地方都市には語学学校はなく、NHKラジオを聴くしかありませんし、記憶力も歳とともに低下の一途ですので、なかなか上達しませんが。
by Ken (2010-10-04 21:13) 

Ken

>Bobbyさま

アルジェント作品を観る時は、体力も気力も充実していないと
つらいですよね。ストーリーは、あってないようなものですし。
彼は、美人女優をとことんイジメ抜くのが趣味なのじゃないかと思います(趣味わる~)。

by Ken (2010-10-04 21:18) 

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