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シャッター・アイランド   @TOHOシネマズ岡南 [映画(さ)行]

ISLAND

 

 

 

 

 

 

満足度  ★★★

土曜の夜のレイトショー、普段なら観客はせいぜい20人くらいなのに、この日は80人以上。ほとんどが女性で、レオ坊だけが目当てだったのは、スタッフ・ロールが始まった途端にほぼ全員が帰ってしまったことから明らかだ。やれやれ・・・

精神を病んだ犯罪者たちを収容する絶海の孤島が舞台。職員の着ている白い服、ロボトミー手術などが、「カッコーの巣の上で」を思い出させる。

この作品に限らず、ミステリーを下敷きにした作品は、公開前から配給元が挑発的に煽るので、トリックがいつ見破れるか、という点ばかりに焦点が当たりがちだ。しかし、トリックはあくまでも作品の骨組みでしかなく、その骨組みが音楽や衣装やセットや役者の演技によって肉付けされてはじめて作品として完成するのだ。したがって、それらの総合芸術として作品をとらえなくてはいけない。

だから、何となくトリックに気付いても、あえて騙されてみる、そうやって流れに身を委ねながら鑑賞するのが大人の見方だし、その方がずっと楽しい。

主役のレオ坊、自分とスコセッシ監督で企画を立ち上げた作品だけに、徹頭徹尾体を張って熱演している。しかも、ドイツ語が素晴らしく上手いのに驚かされた。幼い頃に両親が離婚して、ドイツに住む母方の実家に預けられていたらしいから、その時に習得したのだろう。おかげで彼の意外な一面を知ることができた。

しかし、少し肥えたせいか、「ディパーテッド」の時ほどの精悍さはなく、人の良さそうな童顔丸出しで、善人と悪人とを演じ分けなくてはならないこの役には不向きだったのではないかと思う。ゲイリー・オールドマンあたりに演じさせると面白かったのになあ。あるいは、もう少し若ければジャック・ニコルソンとか(「カッコーの巣の上で」つながり)。ま、そりゃ無理があるか。やっぱり彼の最高傑作「ギルバート・グレイプ」を超えるのは、なかなか難しい。

GRAPE

 

 

 

 

 

 

ジョニー・デップが若い! 
レオ坊は自閉症の弟役として鬼気迫る演技を見せる。

もちろん、脇役たちの素晴らしい演技も賞賛に値する。
「ゾディアック」での捜査官の演技が見事だったマーク・ラファーロが、今回も捜査官としていい味を出しており、ガンジーおじさん(ベン・キングズレー)とエクソシストじいさん(マックス・フォン・シドー)のイブシ銀のような演技も、要所要所を引き締めている。

また、「彼が二度愛したS」で妖艶さが一気に花開いたミシェル・ウィリアムズが、薄暗い画面に時おり華を添えている。彼女は、エリーシャ・カスバート、ジェシカ・ビールとともに「口元のセクシーな若手女優ベスト3」だと思う。
ベン・キングズレーとは、子どもの頃「スピーシーズ 種の起源」で共演して以来かなり久しぶりだから、「ベンおじさま、お久しぶりです。」「おお、すっかり大きくなって、見違えたよ。」みたいな会話があったに違いない、そんなことを考えながら観るのも映画の楽しみのひとつだ。

エンディングを締めるのは、ダイナ・ワシントンの見事な歌唱だ。もちろん、そういうことはスタッフ・ロールを最後まで見ていないとわからない。本編が終わるや否やぞろぞろと帰っていったお嬢さんたちは、損をしていることに気付いていない。

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