少年と自転車 @シネマクレール [映画(さ)行]
満足度 ★★
期待が大きかっただけに、観終わった後の落胆も大きかった。
伝えたいことはよくわかる。でも、ぜんぜん伝わって来ない。
育児放棄した父親によって児童養護施設に預けられている11歳の少年シリルは、人を信じることができず、善悪の判断もつかない子どもになっていた。逢いにも来ないばかりか、黙って転居までしてしまった父親を捜すうち、サマンサという女性と知り合い、週末だけの里親になってもらう。
サマンサの与える無償の愛により、シリルは少しずつ人を信じられるようになり、自分の冒した過ちに対して詫びることを学び、ある事件により痛みを知るようになる。
この「ある事件」が物語のターニングポイントになるわけだが、いくらなんでもそりゃないだろうっていう、取って付けたような展開で、興ざめしてその後のストーリーに入り込めなかった。
ミヒャエル・ハネケばりの唐突な終わり方もちょっとなあ。おそらく意図的にしてるんだろうけど、途中の無駄な長廻しも多すぎて気になったし、この監督は自分には合わないな。
タイトルを見た時、ビットリオ・デ・シーカの「自転車泥棒」を連想したが、あれには遠く及ばない凡作だった。
原題は " Le Gamin au Velo " だから、本来なら「自転車に乗った少年」にすべきだろう。それをあえて「少年と自転車」にしたのは、「イルカに乗った少年」を意識してのことだったのか?
いや、こっちじゃなくて・・・
こっちの方。原題が「イルカに乗った少年」なので。
ちなみに、サマンサ役のセシル・ドゥ・フランスは、フレンチスプラッターの大傑作「ハイテンション」でヒロインを演じている。かなりきわどい演技もあって、とても同じ人とは思えないが、どんな役もこなせる魅力的な女優だと思う。
いよっ!男前!
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タグ:少年と自転車 映画 感想
確かに、とっつきやすい題名と画材からして観てみたくなりますよね!
姉ちゃんに乗った壮年より。
by 6くらいが丁度良い。 (2012-06-13 00:39)
>6氏
乗っかるものがいろいろあって羨ましス
これはDVDか地上波TVで充分かもです
by Ken (2012-06-13 09:28)