7 BOX [映画(さ)行]
満足度 ★★★★★
これは面白い! パラグアイからの極上エンターテインメント。
スラム街のメルカード(市場)で荷物運びの仕事をしている17歳の少年ビクトルは、動画撮影機能の付いている携帯電話欲しさに、かなりヤバそうな仕事を引き受けます。7つの木箱を指定された場所まで運ぶだけで100ドルくれるというのです。命がけで守れ、箱の中身は絶対に見るな、と。
まさにパラグアイのスラム版トランスポーターじゃないですか。ただし、荷物を乗せているのは最新のアウディではなく、みすぼらしい手押し車ですけれど。
荷物を預けた肉屋はマフィアの手先で、これまでにもいろいろと非合法なことをしており、警察に目をつけられています。この日は警察の手入れがあり、見つかっては困るものをビクトルに持たせて、その辺をウロウロさせておくのが目的だったようです。
ところが、手違いにより箱の中にはとんでもないものが入っていました。それに気づき慌ててビクトルを連れ戻そうとするマフィア、高額な報酬欲しさに仕事を横取りしようとする商売敵のネルソン、箱の中身を怪しんで追いかけてくる警察、迷路のような市場の中でスリリングかつコミカルな追走劇が繰り広げられます。
登場人物のキャラクターが際立っていて、それだけでも笑えます。そして、あちこちに張られていた伏線を一気に回収してくれるハッピーなエンディング。観終わってから思わず微笑みがこぼれるような、南米らしい陽気なサスペンス映画でした。
ところで、明らかに文法的におかしいタイトルを付けても平気な日本の配給会社、恥ずかしくないんでしょうか。箱が7つなら7 BOXESです。日本語的に語呂が悪かろうがなんだろうが、それは変えようがありません。こんな変な英語をゴリ押しして通すようでは、わが国の映画産業の国際化は、まだまだってことでしょうね。
ちなみに、外国ではちゃんとしてますよ。ちょっとネタバレですけど。
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