ホーボー・ウィズ・ショットガン @シネマ・クレール [映画(は)行]
満足度 ★
ああ、気分が悪い。年明け早々こんなクソ映画に出くわしてしまった。
ルトガー・ハウアーが大好きで、ロバート・ロドリゲス監督作品「グラインドハウス」のフェイク予告編から生まれたスピンオフ長編と聞いて、つい気軽に観に行ったのが失敗だった。
ジェイソン・アイズナー監督とやら、70~80年代のB級映画好きらしく、随所にそれらしいオマージュを散見できるのだが、タランティーノ監督やロドリゲス監督と比べれば、B級臭さという魔法のスパイスのサジ加減を知らないようだ。スパイスを入れ過ぎて、臭いだけの作品にしてしまった。
ホーボーというのは、もともと世界恐慌の頃、職を求めて貨物列車にこっそり忍び込んでは各地を転々としていた浮浪者のこと。"ホーボーもの"といえば、「北国の帝王」という男臭さ全開の名作があって、どうしてもあんな風なアクションを期待してしまうが、列車のシーンは最初の数分間だけで、後のアクションもグダグダ、とんだ期待外れだった。
とある街に降り立ったホーボーが、街にはびこるダニどもをショットガンでやっつけてまわり、いつの間にかヒーローになるというストーリーは、チャールズ・ブロンソンの「狼よさらば」を下敷きにしているのだろうが、台本を読んだルトガー・ハウアーが「何だこれ?」と言ったように、観ている方も最後まで「何だこれ?」としか感じられない。
公開処刑される人物がマンホールの蓋を首輪のごとく着けられるシーンは、ルトガー・ハウアー主演作「ウェドロック」の首輪爆弾を意識したのかもしれないが、どうせなら、彼に剣を持たせて、「ブラインド・フューリー」みたいに斬りまくれば良かったんだ。この間観た「宇宙人ポール」の中にだって、ブラインド・フューリーの真似をするシーンがあったぞ。
どっちにしても、せっかくハウアー様を出演させたのに、最後までヨレヨレのジジイのままで終わらせたのが気に入らない。ハウアー様のキャリアに大きな汚点を残してしまったじゃないか。場内が明るくなった時、観終わった客が皆一様に苦笑いをしていたのが奇妙だった。
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DVDレンタル料金、100円になったら必ず観ます!
ポスターとか、とっても面白そうなんですがね。
by のむら (2012-01-30 21:52)
実は私もポスターに惹かれて観に行ったんですけどね。
100円なら腹も立たなかったと思います。
by Ken (2012-01-31 09:47)