それでも恋するバルセロナ [映画(さ)行]
昨年末スペインに出かける前に観ておこうと思っていたのに、今頃になってやっとDVDで鑑賞。まあ、旅行前に観ていたところであまり参考にはならなかったかな?
とはいえ、サグラダ・ファミリア教会、グエル公園、グエル別邸、ランブラス大通り、カサ・ミラ、カサ・バトリョなど、バルセロナを代表する観光名所は、ひと通り登場する。
主人公のひとりヴィッキーが通うスペイン語学校の舞台として選ばれていたのは、サン・パウ病院だった。世界遺産にもかかわらず現役の病院で、正門に立つと向こうにサグラダ・ファミリア教会が見える。現在は改修中で入場できないようだが、バルセロナを訪れるなら、絶対にはずせない場所だ。
市の北端にあって街を一望できるティビダボ遊園地で主人公たちが一日を過ごすシーンも、バルセロナ好きにとってはたまらない。少し不便なところにあるので、観光ではなかなか訪れられないスポットだから。
ついでに傍のテレビ塔も見せてくれれば最高だったけど。
http://www.torredecollserola.com/
何の予備知識も持たずに観たので、ウディ・アレン監督、スカーレット・ヨハンソン主演の小粋なアメリカン・ラブコメディを期待していたら、見事に肩透かしを食らった。これはペネロペ・クルス/ハビエル・バルデム共演のスペイン映画なのだ。それほどに彼らの存在が大きい。
思うままに自然体で人生を楽しんでいるスペイン人に対して、アメリカ人たちは目先の名声や富に惑わされて、心から人生を楽しんでいるようには思えない。アメリカ人監督の作品なのに、アメリカ人を矮小で陳腐な存在に描いているのは面白い。
スペイン映画を見慣れていないと、ストーリーの破天荒な展開にはついて行けないかもしれない。「オール・アバウト・マイ・マザー」、「トーク・トゥ・ハー」、「バッド・エデュケーション」、「ボルベール」など、スペイン映画の根底に流れる愛への姿勢や人生の楽しみ方には、独特のものがある。それを感じたことのない人には、おそらくこの映画は理解できないだろうから。
そして、この映画を語るなら、「ハモン・ハモン」を忘れてはいけない。ペネロペ・クルスの出生作で、この時ハビエル・バルデムと初めて共演している。、それから20年近くを経て、現在の実生活でも恋人同士の二人が再び共演したことを知っていると、いっそう面白い。
このジャケットの、あっけらかんなところが、まさにスペインなのだ。彼らにとって、食欲と性欲は一体なのだ。このテイストがわからないとスペイン映画は理解できない。
この映画は「ハモン・ハモン」に対するオマージュなのではないか、そんな気がするがどうだろう?
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タグ:映画 それでも恋するバルセロナ
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